結束バンドは、ケーブルの配線工事で用いられる電設資材です。建物工事は建築に加えて、電気や空調や給排水衛生などの設備工事で構成されていますが、電気工事では電力会社からの電気を受電点で受けた後に、ケーブルを介して分電盤経由でコンセントや照明器具などに給電する作業を担っています。電気設備技術基準において、結束バンドはケーブルの固定に用いられる電設資材とされていますが、同様に電気を流すことのできる電線を束ねることは認められていません。これは電線が導体を地絡や短絡から守る絶縁体のみで覆われているからであり、これをさらにシースと呼ばれる外皮で覆ったケーブルとは異なっています。

配線布設には天井内や壁内などのいんぺいの場合や、屋外露出などの方法があります。これらの布設にはケーブルを用いなければなりませんが、バンドを用いて固定する場合にはそれがどこで用いられるのかに気を付けなければいけません。太陽光発電設備の配線は屋外に露出されていて、ケーブルの固定は結束バンドが多く用いられます。屋外では風雨や紫外線にさらされるため、バンドが劣化して固定できなくなるとケーブルや接続箇所の損傷になってしまいます。

この場合、正常な発電ができなくなるだけでなく、短絡や地絡の事故を起こして火災などの原因になる恐れがあります。また、外部だけでなく天井内であっても、蛍光管式の照明器具から発せられる紫外線によって結束バンドが劣化する事例もあるため、屋外と同様に施工にあたっては耐紫外線仕様の屋外型のものを採用すべきです。