配線ダクトには大きく分けて軟質と硬質がありますが、総合的に考えると後者がおすすめで軍配が上がります。軟質タイプは塩ビやシリコンといった素材が主流で、対する硬質はABS樹脂が主流となっています。ただ単なるABS樹脂ではなく強化された素材ですから、耐候性や耐熱性、耐湿性などの性質を併せ持つのが特徴です。ABS樹脂は一般的に衝撃に耐えられることで知られ、強い衝撃が加わっても配合されるゴムの性質で粘って簡単には割れませんから、落下することが考えられる配線ダクトの用途に最適です。
また、配線ダクトは屋内に設置するのが普通ですが、ケーブルが発熱したり湿気の影響を受けることもあるので、耐熱性や耐湿性の意味でも硬質が狙い目となります。硬質の配線ダクトは加工性が優れていて、設置場所の長さに合わせてカットする作業も快適です。軟質だと柔らかくて逆にカットしにくいですから、カットを前提とするなら断然、硬質素材の配線ダクトが適しています。最適な素材のダクトを選択すると、高温多湿のような過酷な環境でも安心して使えますし、ケーブルを保護する性能にも期待できます。
生活環境で発生や堆積が避けられないホコリの影響を防げたり、何よりゴチャゴチャしがちな配線をスッキリとまとめられるので、前向きに導入や設置を検討するのがおすすめです。注意点を挙げるとしたら、それは内部に熱が溜まらないように通気孔を設けたり、送風ファンを設置して内部に風を送るなどしてケーブルのトラブルに繋がる熱の蓄積を回避する必要があることです。